森川 亮 (著) ダイヤモンド社
「シンプルに考える」
は、会社にとって何が一番大切かという事を、
徹底してシンプルに考え、LINE株式会社を成功に導いた
経営手法が書かれている。
「ヒット商品を生み出す事」
それが会社にとっていちばん大切な事で、
その為に必要なのは、
「ユーザーが本当にもとめているものを提供し続ける事」
であると筆者は言う。
この様にシンプルに考え、
それ以外の物は余計な事であるといって切り捨てる。
大企業などの大きな組織にありがちな
経営戦略の明文化、情報共有、社内調整・管理等も
できるだけやらない、シンプルにする事が、
スピード感を生むという。
私はいわゆる「大企業」に正規雇用されていた経験は無いが、
社内の人間の顔色ばかり伺ってユーザーへの価値提供が後回しにされたり、
やたらと決断が遅かったり、決断されないまま放置されたり、
「計画に入っていないからやらない」といった状況等々を、
直接的にも間接的にも味わって来ていて、
共感できる部分がとても多かった。
また、「あれもこれもと力を分散させてしまっても、
人間が一度にできる事は一つだけ」と言った言葉は、
少々拡散気味であった仕事を「選択・集中」させて行こうと
考えるきっかけにもなった。
例えば「統制はいらない」という節では、
現場への権限移譲の重要性を説いていて、
この方がシンプルであって戦略的にも正しい行動を起こしやすいという。
その例えとして、近年の軍隊の
指揮命令のあり方が大きく変わってきている話が引用されていて興味深かった。
軍隊というと「厳格な中央統制」という
本部の命令は絶対でるというイメージが強いが、
大規模な作戦よりも、ゲリラ戦・局地戦が増えてきているのを受け、
より戦場毎の事情に柔軟に対応する必要に迫られ、
実は現場に権限移譲する流れが加速しているらしい。
これは、今のビジネスシーンでも当てはまる状況が多いのではないだろうか。
「ユーザーへの価値提供」を最優先事項とし、
そこにしっかりコミットし、
逆にそこに不要なもの、余計な物は積極的に排除して行く事。
一番大事なものを決めておくことは、
ビジネスだけでなく、ほぼあらゆるシーンで
迷いを少なくし、決断を早め、
最終的に、ストレスの少ない人生に繋がる気がした。
★行動へのヒント
・「何に価値を置くのか」本質的な回答を考える
・その本質に繋がらないものは積極的に捨てていく。
最後までお読み頂きありがとうございました。
宮木俊明