「起業」に代表されるような
新しい価値を生み出し社会に貢献する活動には、
いったい何が必要なのだろうか?
クリエイティブな発想力
ワクワク感を伴う情熱
資金、商品・サービス、人脈、、
全部正解かもしれない。
しかし、「一番最初」に必要なものがどれかという時系列を取り入れた時、
全て不正解になる。
そう、先に挙げたようなものなんか何にも持っていなくたって、
イノベーションは起こせるようだ。
ティナ・シーリグ(著) CCCメディアハウス
「スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義」では、
「情熱なんて、なくていい」と言い切る。
そんなものは、後からついてくるというのだ。
最初に現れる、イマジネーションがクリエイティビティを育み、
クリエイティビティがイノベーションに繋がり、
イノベーションがアントレプレナーシップに繋がり、
アントレプレナーシップが、自分自身を含めた関わる全ての人々の新たなイマジネーションを刺激する・・
この「インベンションサイクル」の循環(サイクル)を理解すると、
本当に必要な物は「行動を起こすだけ」だと解る。
最初に行動を起こす時点では、
明確なビジョンなんて必要ないし、
雄弁に語る能力も、資金も人脈も必要ない。
行動しながら、必要な資源が集まり、自身の能力も同時に磨かれていく。
むしろ、最初の1歩の時点では
「何も持っていなければ持っていないないほど」
ステレオタイプに引きづられる事無く、
斬新な取組に繋がる可能性が高いのだろうとすら思えてきた。
とても勇気づけられる本だ。
サイクルの4つのステージについて、
簡単に(私なりに)まとめてみると以下のようになる。
【イマジネーション】
存在していない物をイメージする事
音や景色、感情等の正に「イメージ」がキーになる。
これを引き出すには「どっぷりと浸かる」事(行動)を通じて、
ビジョンを導き出す事。
この時、右肩上がりの直線のイメージではなく、
障害や問題が起こることも事前に織り込んでく、
曲線でのイメージがうまくいく秘訣になるようだ。
【クリエイティビティ】
イマジネーションを駆使して課題を解決する力
イメージを言葉に置き換える事がキーとなる。
これは抽象⇒具体の実験的プロセスを繰り返すことに繋がる。
そして、モチベーションを高め、維持するためにも
主体性を持ってやれそうな所、得意な所から始めることが肝要。
【イノベーション】
クリエイティビティを発揮して独創的な解決策を編み出すこと。
作った言葉に5W1H等を足して「文章」にするステージ。
集中力を使って「今ここ」に、「緊急でないけれど重要なこと」にコミットする。
アイデア出しでは、「もうこれ以上はでない」というレベルからしか、
革新的な物は出てこないことが解っている。
【アントレプレナーシップ】
イノベーションを活用してユニークなアイデアを形にして、
他の人達の想像力を掻き立てること。
文章を組み上げて「物語」を作成する力が発揮される。
粘り強く取り組み続ける「不屈の精神(Glit)」と、
物語によって周囲を巻き込む事で、変容が始まる。
少し本書からはそれるが、
この「インベンションサイクル」は
例えば、従来からあるPDCAサイクルにもなぞらえることができそうだ。
上手くいくPDCAは、
Pをイメージで
Dを言葉で
Cを文章で
Aをストーリーで語る事で
完璧に見えて価値の無いPの押し付けや、
限定されたD、行き過ぎたCから逃れる事が出来そうだ。
その為、取り組んでいるプロジェクト今どの段階にあるのかを理解し、
チームメンバーで共有する際の共通言語としても強力だと思う。
我々に必要なのは「行動」だけである。
インベンションサイクルという地図を持っていれば、
迷うことも少ないだろう。
☆行動のヒント
・「何をしたいか、何にワクワクするのか解らない」という不安や、
何かはじめたけれど「本当にこれでよいのだろうか」という迷いを、
行動しない理由にしていては何も始まらない。
最後までお読みい頂きありがとうございました。
宮木俊明