枠、つまり既成概念に捕らわれず、
如何に自由に発想し「行動」ができるか?

そのような行動ができる人、
既存の組織間の壁を乗り越える様な働きができる人が
あらゆる場面で求められている様子を、
または、実際に活躍している様子を、
目にする機会がとても多いと感じている。

では、「枠にとらわれない人」がやっている事とは?

それは
「既存の言葉の定義を拡大すること」
なのではないかと思っている。

少々とりとめがない感もあるが、
ここでは、3つの観点からお話をしてみたい。


①共通点探しゲーム

先日、有るワークショップに参加した時の事。

参加者が二人一組になって、
制限時間内に出来るだけ沢山の共通点を探すゲームをした。

相方さんが質問をする係で、
私が答える係になった。

そして実際に、
「ご出身の都道府県はどこですか?」
「卒業した学校は理系ですか文系ですか?」
「年齢は何十代ですか?」
といった質問を頂いた。

所が、残念ながら
そのいずれも、相方さんと私では共通点が無かった。

そんな質問を何回か受け取る中で、
質問自体が、ある種の「枠」になっている事に気がついた。

そこで、既存の枠を飛び越えて、、
こんな風に質問自体を変えて貰うことを提案してみた。

「ご出身の都道府県はどこですか?」
⇒「生まれた国はどこですか?」
都道府県レベルでは異なっていても、日本で生まれたという所が共通点ですね

「卒業した学校は理系ですか文系ですか?」
⇒「高校卒業後、大学には進学されましたか?」
お互い大学を卒業しているという所が共通点ですね

「年齢は何十代ですか?」
「二十歳は越えられてますか?」
⇒お互い成人である所が共通点ですね

このゲームで気がついたのは
抽象度を少し上げるだけで
沢山の共通点が見つかる、
つまり、多くの人を巻き込みことが容易になるのではないか?
という事だ。

そのワークショップでの意図も正にそこであったのだが、
「共通点がある人にほど親近感を覚えやすい」
からだ。
共通点を見つけ出す努力は大きな力に変わるかも知れない。

②組織に必要なもの

「組織間の壁」あるいは、
組織内の「部門間の壁」など、
多くの場合に個人よりも多くの「枠」を作りながら活動しているのが組織だ。

上意下達のピラミッド組織では立ち行かなくなってきている事で、
リーダーシップやマネジメント手法も変化が求められている事は、
多くの場面で指摘されてるが、
この様な流れをどう捉えるべきか。

1つの切り口は「定義の拡大」にあると思っている。
個人も、部署も、組織としても、
表面的な違いや利害関係を意識しすぎず、
「お隣の事」を「自分事」として考えられるかどうか。

組織は、少なくとも「地域」や「業界全体」で、
更に大きな視点の中で、
「それらに如何に貢献するか」
という観点が得られるかどうが
大きな違いを生んでいる。

自身の属する「組織」をどこからどこまでと定義するか?
少し枠を広げて考えてみるだけで、
意識も行動範囲も発想すらも大きく変わってくる。

③政治力

枠にとらわれず、枠を乗り越え、
その中でも自分の信念に基づいて行動をする・・・

「政治力」というとネガティブなイメージが付きまとうが、
実は、複数のステークホルダーに配慮しつつ
その中に自身の政治哲学を練り込みながら合意形成をする、
こんな凄いことを職業にしているのが「政治家」と呼ばれる方々なのだと思っている。

最近、複数の、
特に民間出身の議員の方に直接お話しを伺い、
触れ合う機会を得た中で、
実は妙に感心した所でもある。

その中で、現実問題
「合意形成」が「妥協の産物」になってしまうことも多いのは、
政治家としての力量ももちろん有るかもしれないが、
司法や行政というある種の「最強の”枠”」が
立ちはだかってくるからなのだろうと想像している。

政治の世界にビジネスの感覚を持ち込もう、
世襲議員ではなく、若手のビジネス経験者を政治家に、
そんな風潮があって、これは歓迎すべき所。

だがその逆に、ビジネスの世界での「政治力」の必要性が
これまで以上に、より一般的な話として、
高まってきている流れも感じている。

「政治力」という言葉の定義や適用場面も
今後ますます(叶うなら良い方向に)拡大していくのだろう。

枠を乗り越えるためのツールは、
インターネット等を筆頭に充実しつつ有り、
後は意識の問題なのだと感じている。

起業によるビジネス、
政府による政治、
NPO等による非営利活動、
こういった既成概念にとらわれず行動できる人が増える事によって
徐々に「枠」が取り払われ、
よりおもしろい社会が実現して行くと思うと
とてもワクワクしてくる。

★行動のヒント
・視点を広げ大きく考える
・でも、最初の一方は小さく始める

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明