それらを知った上で活用することが重要かも知れない。
『パーソナルデータの衝撃-一生を丸裸にされる「情報経済」が始まった』
は、個人情報に関連した最新情報と論点がバランスよくまとめられていて、
ビジネス書という枠よりはノンフィクションに近い。
先に述べたFaceBookやアマゾン、Google等の有料
無料のWebサービスは個人情報を収集し続け、
それをパーソナライズされた広告やレコメンデーションによって
利益を生み出している。
また、個人情報の取扱はインターネット特有の問題では無く
個人情報を収集し販売することその物を
生業としている事業も有り、
日本では「名簿屋」として知られている。
これが欧米では、単なるリストの販売ではなく
それにウェブ上の痕跡をミックスして関連付け、
解析されたデータベースを構築し
高値で売買する”データブローカー”が既に活躍をしており、
日本もいずれそのような市場が形成されていくのかも知れない。
それがスコア化される日が近づいている。
近い将来、インターネットで買い物をする際、
モニターに表示される価格が
その人の年収によって変わる日が来る、
そんな可能性もあるそうだ。
また、別の例に、「ソーシャルメディアスコア」
と呼ばれる物があるあらしい。
例えばFaceBookやツイッターのフォロワーや友人の数や交流頻度を解析し、
一定の基準を満たしている人に対して、ローン審査で優遇をしたり、
空港のVIPラウンジを無料で利用させたり、という試みが始まっているらしい。
この方向は、これからも様々な恩恵が受けられる可能性が高く、
アウトプットのツールとしてSNSのりよう価値が高まると共に、
ネットワーク・人脈その物が何らかの価値を持ったり、
逆に、いつの間にネガティブな評価をされていたりする事が起こりうるだろう。
個人情報は売買されているので、具体的な値付が可能だ。
結論としては、数十円〜1000円程度となっており、
健康上の問題を抱えている人など、
”リピーター”になりやすいからだそうだ。
(いわゆる『カモリスト』ということ)
個人としては、収集されないように注意する程度しかできない状態、
つまり企業が主体になっている状況が
徐々に持ち主がコントロールできる可能性が出てきている。
(特定の広告主の広告を二度と表示させないetc..)
投稿内容、「いいね」の履歴などを一括でダウンロードできる機能が有るなど
少しづつ先進的な取組が始まっていて、
個人情報の主体が個人に移行しつつある。
また、FaceBookの様な企業主体の例だけでなく
政府が間に入り、法令などを整備する形で後押しする事で、
個人参加型のインタラクティブな管理が
テクノロジーによって実現しつつある。
注意は必要だかが、個人情報を利用させることに同意する代わりに
様々なサービスが無料、もしくは安価に受けられる仕組みが
少しづつ整備されてきているという点はとても興味をひかれた。
等々のプラットフォームを企業側が構築し、
これらのサービスは日本に既に存在していて
運転状況を小型測定器で測定し、
急加速・急ブレーキが少ないドライバーの
保険料を安くする等のサービスが有るそうだ。
個々に許容できるレベルで個人情報を含めた情報のアウトプットをすることが
新しい価値を生む時代が既に始まっていて、
積極的に行動を開始することの重要性を改めて感じた。
ヘルスケア関連データを収集・利用したビジネスがこれから盛り上がるはずだが、
相互メリットの一つの形なのかと思っている。
透明性を高めることが、最終的にはデータの正確性も向上し、
双方にメリットがもたらさせる筈だ。
★行動のヒント
・個人情報やソーシャルメディアでの影響力等が、
新たな価値を生み出し始めている。
戦略的にパーソナルデータを含めた”情報”を提供していく行動を考えたい。
最後までお読み頂きありがとうございました。
宮木俊明