なぜ本を読むのか。
本を読むことによって何が得られるのか。
本によって人生が変わるのか?

どんな本を選び、どうやって読むのか。

こういった事は、
当の本人の「本」に聞いてみるのが
一番良い方法なのかも知れない。


久木田裕常(著) きずな出版
『読書の方法ー自分を成長させる本の読み方』
は、一般に考えられている「本の読み方」にとらわれず、
もっと自由に本と付き合い、対話する事を呼びかけている。

「最初から全部通して読まなくても良い」
「好きな所から、好きなだけ読めば良い」

しかし、実はこれ、私にとっては中々難しい。
せっかく購入したんだし、始めから最後まで一言一句全部読み通さないと
見落とした情報が有るようでなんだか気持ちが悪いし、
せっかく購入したのに、全部読まないのは、
なんだか損した様な気にも成る。

そんな訳で、私は基本的には入手した本は
スローリーディングで読む。
つまり、最初から最後まで、
一言一句全部を読み通すスタイル。

所が、本書に書かれている様な「読書会」への参加、
及び自身による主催を通じて、
少しづつ、自由な読み方が身についても来ている。

そして、その新しい読書法の適用場面が、
読書会だけでなく、何か困ったときやヒントが欲しい時、
読むべき書籍を選定するときなどに、
書店や図書館、自宅の書棚と向き合うとき等に広がってきていて、
確実に短時間で有益な情報が得られるようになってきた実感がある。

本書によると、本とのつきあい方は、
人とのつきあい方にも似ている。
沢山の経験を積むことで失敗は減らせるけど、
失敗体験も決して無駄にはならない。
しかも、買っただけで読まずに積んであるだけの
「積読本」ですら価値が有るというのは、
正直、なんだか嬉しい。

本の可能性に触れつつ、
もっと本と自由に付き合えるようなヒントがたくさん詰まった本書だが、
最も響いたのは
「本を読むことは、その本を書いた人の価値観と出会うこと」
という言葉だ。

人の価値観に触れる方法としては、
直接その人と同じ時間を過ごすことが最も効率が良いかも知れないが、
例えば、超多忙な著名人や、既に亡くなっている方、歴史上の人物については、
現実に会うのが難しい(不可能)な為、
本がその威力を発揮するのだろう。

もっと言うと、仮に、簡単に実際に会える人だったとしても
その人が「著者」で有るならば、
間違いなくその方の「著書」を手に取り、
目を通して置く事も大切な事だと思う。
当方の実体験からも
面会の際には「お互いに」メリットがある事を感じている。

本が好きな方も苦手な方も、
「読書」という行為を見直し、
本を通じて、本に対する新しい価値観に触れられる、
そんな読書の方法を
この「読書の方法」から感じ取って頂けたらと思う。

★行動へのヒント
・正解は人の数だけ存在する。
・現実世界をよる豊かにするために、本の世界が存在する。
・本の世界の楽しみ方も人の数だけ存在して良い。

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明