物事を成すには、
自分の強みを生かしつつ、
「継続的な努力の積み重ね」であったり
「決して諦めない不屈の精神」等が
重要であるとされている。

成功には、才能だけではなく
むしろそれ以上に、
強い精神力、
つまり「意志力」がキーになるのだろうか。

人間の持つ「意志力」とは何なのか?
そして、どの様に活用すればよいのか?


ケリー・マクゴニガル(著) 大和書房
『スタンフォードの自分を変える教室』は、
「意志力」の正体について、
抽象的な精神論ではなく、科学の光をあてて明快に解き明かしつつ、
新しい行動を始めたり、望まない行動を止めたりといった
「行動の変容」を引き起こすための具体的な方法論が説かれている。

「運動や睡眠が”意志力”とどう関わるのか?」
「どうして、直接関係のない小さな目標への取組が
より大きな目標へと近づく力になるのか?」
「食事した内容を書くだけで痩せる?」
本書を読むと、我々の行動の一つ一つが
自分の意志力を変化させる事、
そして筋肉のように意志力は鍛えることが出来るという事が
裏付けを持って理解出来る。

また、心理学的な実験に関する話題もとてもおもしろく、
「良いことをしたと思うと、次に悪いことをしたくなる」
といったモラル・ライセンシングの話や、
「自分は変わるんだ」と
「決心するだけ」でいい気分になってしまう負のスパイラルの話など、
知的好奇心を満たしてくれるだけでなく、
行動を起こす際の注意点を多く教えてくれる。

どうすれば上手くいくかという視点だけでなく
どの様な罠があるのかも含めて、
それぞれ具体的な根拠を持って解説してくれているため、
「根拠が明確で無いと取り組む気になれない」
という私の様な頑固者も、変容へと突き動かされた。

行動の一つ一つを変えていくことが、
好ましい自分へと成長する一歩だと理解し、
それを実験の様に楽しみながら始めてみたいと思える、
タイトルに負けない内容を伴った本として、
オススメしたい。

★行動へのヒント
・自分の思考に興味を持つ(今何を感じているのか)
・反省はすれど、決して責めない(むしろ労る)
・「何が大事なのか」「どうして始めたのか」を忘れない
・どんな事でも続けると楽になる

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明